seikashop
豊永盛人|沖縄旧約聖書|アブラハムの懐
豊永盛人|沖縄旧約聖書|アブラハムの懐
受取状況を読み込めませんでした
■豊永盛人作
■2021年 張子 高20.5cm
■協力|金沢百枝
豊永さんは沖縄在住の張り子作家です。琉球張り子の伝統にそくした仕事とともに、あらゆる矩(のり)をかるくこえてゆく作品群、その豊永印に魅了される人が多くいます。「沖縄ギリシア神話」シリーズは、西洋古典学者・河島思朗さんとの出会いから生れました。
「アブラハムの懐とラザロ─アブラハムの懐」......アブラハムはイスラエルの父祖。「アブラハムの懐」は良き魂のゆくところ。「貧者ラザロの喩え」から、中世盛期には天国の比喩ともなりました。貧しく、皮膚病を患い、体中の傷を犬に舐められていたラザロは、死後、「アブラハムの懐」に迎えられました。─『新約聖書』「ルカによる福音書」16章
豊永盛人 Morito Toyonaga
1976年生れ。沖縄出身、沖縄在住。沖縄県立芸術大学を卒業後、張り子の郷土玩具を作り始める。2002年郷土玩具店「玩具ロードワークス」を開く。郷土玩具を中心とした個展を開催したり物産展等に参加している。
https://toy-roadworks.com
─
豊永さんから......金沢百枝さんに紹介して頂いた中世の絵やロマネスクの彫刻はとても胸をときめかせてくれるものがいっぱいで、自分の力だけではどう調べても見つからないような面白いものばかりで、見ていてとても元気になります。キリスト教徒でもユダヤ教徒でもイスラム教徒でもない僕がにわかに勉強して作った物なので、何の信仰の対象にもならないし、ご利益もきっとないですが、旧約聖書の内容をほとんど初めて知って、びっくりしたり笑ったりドン引きしたり感動したりした僕自身の発見が詰まったものになりました。楽しんでいただけたら幸いです。
金沢さんから......豊永盛人さんのつくるものにはふしぎな魅力があります。沖縄の伝統的な張り子の作家ですが、その懐はひろい。その発想の柔軟さはどこからきているのだろうと考えるとき、工房をたずねたときにみせていただいた、豊永さんが美大の彫刻科時代につくったという、夜中にあるきだしそうな大作と、子どもさんたちのためにつくったおもちゃを思いだします。鋭い造形感覚と、尽きない遊び心。今回、私の講座「キリスト教美術をたのしむ|旧約篇」とのコラボが決ってから、LINEグループをつくりました。そこにしばしば豊永さんから、ふしぎなメッセージが届きます。「ヤコブとエサウはどうやって仲なおりしたの? 絵はない?」など、物語を読みこんでいないと出てこない質問ばかりでした。
琉球張り子について......沖縄の張り子の玩具は、主にユッカヌヒ(旧暦の5月4日のこと)のお祭りで開かれる玩具市で売られていました。ユッカヌヒは今で言う子供の日で、子供たちはその日にだけは玩具を買ってもらえたそうです。親が子供の健やかな成長と立身出世を祈って買ってくれたおもちゃを子供は大切に扱いました。南国特有の色使いが印象的ですが、明治以降セルロイドやブリキのおもちゃの出現によりだんだん衰退していきました。 しかし今でも、少数ではありますが職人の手によって伝統とその志は受け継がれています。代表的なものに「ウッチリクブサー(起き上がり小法師)」「チンチン馬」「鯉乗り童子」等があります。
お取り扱いについて......張り子の玩具は水や湿気に弱く、こわれやすく(尖っている箇所などが折れたり)、汚れやすいものです。お取り扱いには御注意ください。
*クレジットカード決済以外の方法(銀行振込)を御希望の方は「お問合せ」よりお知らせください
*Please do not hesitate to contact us about the ways of payment.

