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豊永盛人|沖縄ギリシア神話|干支|子(ネズミのアポロン)
豊永盛人|沖縄ギリシア神話|干支|子(ネズミのアポロン)
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■豊永盛人作
■2018年 張子 6×13×高15.5cm
■協力|河島思朗
豊永さんは沖縄在住の張り子作家です。琉球張り子の伝統にそくした仕事とともに、あらゆる矩(のり)をかるくこえてゆく作品群、その豊永印に魅了される人が多くいます。「沖縄ギリシア神話」シリーズは、西洋古典学者・河島思朗さんとの出会いから生れました。
「アポロンとねずみ」......予言・堅琴・医術・疫病の神アポロン。突然死はアポロンのせい。じつは怖い神さま。「ねずにの神」の異名を持つ。
豊永盛人 Morito Toyonaga
1976年生れ。沖縄出身、沖縄在住。沖縄県立芸術大学を卒業後、張り子の郷土玩具を作り始める。2002年郷土玩具店「玩具ロードワークス」を開く。郷土玩具を中心とした個展を開催したり物産展等に参加している。
https://toy-roadworks.com
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豊永さんから......初めから沖縄の中から出てくるギリシャを探して作るつもりで色々考えました。いつもは張り子という紙製の郷土玩具を中心に製作していますが、今回は友人たちの協力のもと焼き物や漆器など、もちろん張り子もですが沖縄からギリシャに直接行かないでここにあるものでどうやったらギリシャに近づけるか試みてみました。ギリシア神話の世界が僕の中の沖縄の中の僕を通ってどんな形で出てくるのか、その辺りを楽しんでいただけるといいのかなと思います。
河島さんから...... 古代ギリシア人にとって、神話にかたられる神々は信仰の対象でした。神々のために祭儀をおこない、神殿を建て、祈りを捧げました。ところが、「神話」はギリシア語でミュートスといいます。ミュートスとは「物語」を指す言葉でした。神話とは、そもそも物語だったのです。だから、ギリシア神話の神々は、畏敬の対象でありながら、物語の登場人物としてさまざまな性格をもち、人間以上に人間味にあふれています。古代ギリシアは、神話に根ざした社会、物語が息づく世界だったのです。
人間とともに生き、悲しみや喜びをいだく神々の姿。ふしぎで、奥ぶかく、多彩な物語。詩人や芸術家たちは神話から多くのインスピレーションを得ました。科学者や心理学者にさえも、神話は新たな観点を提示してきました。映画、小説、マンガ、音楽、絵画など、いまもなお多くの表現に影響をあたえています。その広がりは、古代ギリシアから遠く離れた現代日本にも届くほどです。数千年のあいだ、神話は変容しながら受けつがれ、物語の力は衰えることなくわたしたちを魅了しています。
この「沖縄ギリシア神話」シリーズでは、豊永さんがギリシア神話を描きます。モノをとおして、物語をかたります。ここには、古くて新しい神話の世界があります。
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河島思朗 Shiro Kawashima
西洋古典学者。1977年生れ。京都大学大学院文学研究科准教授。西洋古典文学、とくにラテン文学、ギリシア・ローマの神話を研究。首都大学東京人文科学研究科単位取得退学。博士(文学)。著書に『基本から学ぶラテン語』(ナツメ社)、共著に『パストラル―牧歌の源流と展開』『ホメロス『イリアス』への招待』(共にピナケス出版)など。
琉球張り子について......沖縄の張り子の玩具は、主にユッカヌヒ(旧暦の5月4日のこと)のお祭りで開かれる玩具市で売られていました。ユッカヌヒは今で言う子供の日で、子供たちはその日にだけは玩具を買ってもらえたそうです。親が子供の健やかな成長と立身出世を祈って買ってくれたおもちゃを子供は大切に扱いました。南国特有の色使いが印象的ですが、明治以降セルロイドやブリキのおもちゃの出現によりだんだん衰退していきました。 しかし今でも、少数ではありますが職人の手によって伝統とその志は受け継がれています。代表的なものに「ウッチリクブサー(起き上がり小法師)」「チンチン馬」「鯉乗り童子」等があります。
お取り扱いについて......張り子の玩具は水や湿気に弱く、こわれやすく(尖っている箇所などが折れたり)、汚れやすいものです。お取り扱いには御注意ください。
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