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通信講座|金沢百枝+小澤実|研究者にきく1|ロマネスク再考|全3回

通信講座|金沢百枝+小澤実|研究者にきく1|ロマネスク再考|全3回

通常価格 ¥3,000  税込
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公開|2024年1月24日−4月28日/全3回(各約100分)

*公開期間後は御購入者も本講座(動画)を視聴できなくなりますので御注意ください
*本講座は2023年10月-12月に自由学園明日館で開催された講座「金沢百枝+小澤実|研究者にきく1|ロマネスク再考」と同じ内容です


内容|美術史家の金沢百枝さんと歴史家の小澤実さんを案内役に、分野をとわず実績のある研究者を毎回ひとりずつまねき、研究の最前線をわかりやすく話していただこうというシリーズです。1)講師紹介/約15分 2)講義/約1時間 3)鼎談/約30分という構成で、学問の素晴らしさ、そしてそれを味わい続ける学者という仕事の魅力についても、直接知ることができればと思います。

1|高山博(歴史)|異文化交流空間としての中世シチリア
2|塚本麿充(美術)|宋代美術─宮廷と民間の活力
3|吉川文(音楽)|10−12世紀の音楽

*予告篇
https://youtu.be/ek4v6iNFzUw


金沢さんから|
西洋中世のロマネスク美術は、古代ローマ文化を継承しつつも、そこから逸脱した革新性があります。ロマネスク期(10-12世紀)以後に支配的だった美的規範は、モダンアートがそれを崩すまで続きました。西洋美術史のなかでロマネスク美術は特異な位置にあるというのが私の考えですが、それはなぜでしょう。それを紐解くために、このシリーズを企画しました。
 第1回のテーマは異文化交流。シチリア中世史研究の第一人者であり、グローバルな視点で「歴史研究」について携わってこられた高山先生に、ロマネスクを語る上では欠かせないアラブ・イスラム・ユダヤとの交流について、シチリアを例にお話しいただきます。
 第2回は、ロマネスクと同時期のアジアはどうだったのか。宋代の作品研究に限らず、「『美術』作品をめぐる価値評価、およびその社会的変遷」も御自身の研究テーマに挙げておられる塚本先生に、中国(宋代)美術との相違点と共通点、離れた地域の同時代美術を比較したとき何が見いだされるのかを伺います。
 第3回は音楽史。かつて吉川先生の発表を学会で伺ったとき、衝撃を受けました。中世ヨーロッパを描いた映画の「静けさ」についてのお話でした。独自の視点を持つ先生に、ロマネスク期の音楽について訊いてみたいと思いました。
 10・11・12世紀が世界的にどのような時代で、分野を越えて関連していたのか。実は、それを考えることは西洋中世研究の最前線でもあります。みなさまと、有益な場を育てられたらいいなと思っています。


小澤さんから|
10-12世紀のロマネスクと呼ばれる時代は、実は、ヴァイキングの時代でもあります。この時期の北欧人は、ヨーロッパ大陸や地中海は言うまでもなく、アメリカ大陸からカスピ海周辺に至るまで広大な地域に足跡を残し、現地集団との接触を通じて、活力あふれる時代を作る一つの原動力となりました。ヴァイキングだけではありません。ヨーロッパや地中海でも様々な民族集団が長距離移動や異文化接触を繰り返していましたし、グローバルな視野に立てば、アフリカでも、中央アジアでも、東アジアでも、日本でも、大きな変化が起こっていた時期でした。今回の講座では、歴史、美術、音楽の3名のスペシャリストの講演と対話を通じて、ロマネスクと呼ばれる時代がどのような特徴と意義を持っていたのかを皆様と考えることができればと思っております。


高山さんから|
私が中世シチリアの研究を始めたのは、東京大学文学部西洋史学専修課程に進学した時でした。西洋中世世界とイスラム世界の文化交流に興味があった私は、両文化が接触していた中世スペインと中世シチリアに惹かれ、不明な点の多かった中世シチリアを研究対象に選びました。そこでは、ラテン文化、ビザンツ文化、イスラム文化が併存し、ラテン語、ギリシア語、アラビア語が公用語として使われており、多様な文化が重層する歴史の複雑さと多言語史料読解の困難さのために未解決の謎が多く、知的刺激に満ちていました。大学院進学後は、三つの言語の用語が錯綜するシチリア王国の行政機構に焦点を当て、研究成果を欧米の学術機関、専門誌で発表してきました。現在の私の関心は、中世地中海の異文化接触・交流にまで広がっていますが、複数の文化・宗教が併存していた中世シチリアは、グローバル化が進行し多様な文化的背景をもつ人々が交流・衝突する現代世界と共通する側面を有しており、現代世界理解のための有益な示唆を与えてくれるのではないかと思っています。


塚本さんから|
10-13世紀に繁栄した宋時代の芸術は、士大夫とよばれる知識階級が政治と文化の中心となり、すぐれた皇帝たちとともに洗練された美術作品が生み出され、その後の東アジア芸術のお手本となりました。今回は宮廷での最高峰の技術や、活力あふれる民間工房での作品を中心に、「東洋のルネサンス」ともよばれる黄金の時代を振り返りたいと思います。


吉川さんから|
中世の音楽を伝える最も古い楽譜は10世紀頃のもので、「ネウマ譜」と呼ばれるこうした楽譜は様々な工夫を施され、現代の五線譜に近づいてきます。歌われ、奏でられる時だけそこにあって、目で見ることも触ることもできない音楽。遠い中世の調べを今わたしたちが聴くことができるのも、楽譜が残されているからこそと言えます。ロマネスクの時代に生きた人々は、このネウマ譜を使ってどのように音楽を伝え、共有していったのでしょうか。当時の人々にとって、音楽がどのような位置づけで捉えられていたのかといった点に照らしつつ考えていきます。


監修|金沢百枝 KANAZAWA Momo
美術史家。多摩美術大学美術学部芸術学科教授。西洋中世美術、主にロマネスク美術を研究。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。理学博士・学術博士。2011年、島田謹二記念学藝賞。2016年、サントリー学芸賞。著書に『ロマネスク美術革命』(新潮社)、『ロマネスクの宇宙 ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』(東京大学出版会)、共著に『イタリア古寺巡礼』シリーズ(新潮社)。

監修|小澤実 OZAWA Minoru
歴史家。立教大学文学部史学科教授。専門は西洋中世史・北欧史・史学史。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。共著に『辺境のダイナミズム』(岩波書店)、『イタリア古寺巡礼』シリーズ(新潮社)、編著に『北西ユーラシアの歴史空間』(北海道大学出版会)、『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』(明石書店)、『史学科の比較史』(勉誠出版)、谷口幸男(小澤編)『ルーン文字研究序説』(八坂書房)、Communicating Papal Authority in the Middle Ages (Routledge)など。

講師|高山博 TAKAYAMA Hiroshi
東京大学名誉教授。Ph.D.(エール大学)。専門は西洋中世史・地中海史。R. Lopez Memorial Prize、サントリー学芸賞、地中海学会賞、マルコ・ポーロ賞受賞。紫綬褒章受章。西洋中世学会会長、史学会理事長、地中海学会副会長(現任)を歴任。著書に『中世地中海世界とシチリア王国』、『神秘の中世王国』、『中世シチリア王国の研究』(東京大学出版会)、『ハード・アカデミズムの時代』、『中世シチリア王国』(講談社)、『歴史学 未来へのまなざし』、『ヨーロッパとイスラーム世界』(山川出版社)、『〈知〉とグローバル化』(勁草書房)、『文明共存の道を求めて』(日本放送出版協会)、The Administration of the Norman Kingdom of Sicily (E. J. Brill)、Sicily and the Mediterranean in the Middle Ages (Routledge)などがある。

講師|塚本麿充 TSUKAMOTO Maromitsu
東京大学東洋文化研究所教授。1976年福井生まれ。東北大学文学研究科東洋・日本美術史卒業。博士(文学)。南京師範大学、国立台湾大学芸術史研究所に留学。大和文華館学芸部、東京国立博物館研究員をへて、2015年より准教授、2021年より現職。専門は宋元時代を中心とした中国美術史。第24回國華賞(2012年)。《北宋絵画史の成立》(中央公論美術出版社、2016年)で 三島海雲学術賞(2018 年)。

講師|吉川文 YOSHIKAWA Aya
音楽学者。東京学芸大学芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座准教授。西洋中世音楽史、音楽理論を中心に研究。東京芸術大学大学院音楽研究科後期博士課程修了。共著『はじめての音楽史』(音楽之友社)、訳書:リチャード・L・クロッカー『グレゴリオ聖歌の世界』(音楽之友社)。


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